義男の青春・別離 (新潮文庫)価格: 620円レビュー評価: 5.0 レビュー数:3 付き合っていたはずの女性が金持ちの男性と浮気し妊娠し主人公が自殺未遂する話や男がわけもなく車に火をつける話など、どれも暗い題材なはずなのに、なぜかほのぼのした気持ちになる。
よく考えてみると、この今の世の中と比較して、アパートの大家とか友達とか必ず周りの人が心配して助けてくれている、そういう登場人物がいることに気づかされる。それが逆に息苦しさにもつながるのかもしれないが、今の、何に絶望しているのかも曖昧なまま、ただ誰にも目を掛けられず自殺を企てる人々より、救いになっているのは確かだろう。
そういう、かつて日本にあった関係性をしみじみ思い出す ...さらに詳しい情報はコチラ |
ねじ式―つげ義春作品集価格: 3,045円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 以前青林堂から箱入りの豪華装丁で出版された同名作品集の復刻版だ。 初出誌サイズ、雑誌掲載時と同じくアカ版を使った2色刷りで、初出時の衝撃を そのまま再現した作品集が、文庫版の1色づかいでしか『ねじ式』を知らない読 者には嬉しい限りだ。 再現で特に面白いのは『ねじ式』で、1976年小学館文庫で刊行された際に著 者が手を加えた部分がオリジナルに戻されていて、両者を読み比べてみると違い がはっきりとわかる。主人公の顔により陰影が書き加えられていたり、「眼科」 の看板を「眠科」と間違えた部分が再現されていたりと、マニアックな愉しみに 満ちている。 青林 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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蟻地獄・枯野の宿 (新潮文庫)価格: 660円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 初期の貸本時代の作品が中心に納められている。すでに独特の影の ある画風でファンには楽しいと思う。彼の作品では異色のコミカルな 「西瓜酒」「不思議な絵」は考えることなく楽しめる。 73年の作品「リアリズムの宿」「懐かしいひと」「枯野の宿」は 「日の戯れ」からさらに一歩踏み入れたい人にうれしいはず。 初期の作品でいわゆる一般的な漫画風のつげ世界が味わえる。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
つげ義春を旅する (ちくま文庫)価格: 903円レビュー評価: 4.5 レビュー数:3 つげ義春の風景に出会えるガイド・ブックです。つげ漫画の風景が実在することを知り驚きました。
実際私はこの本の風景に誘われて、福島県内を旅行しました。ただし、会津地方にも藁葺き屋根の家は殆どなくなり、さすがにつげの世界は殆ど失われていて、落胆させられることが殆どでした。それでも、かすかな痕跡を見つけ出しながら、つげの世界を空想するのは楽しいものです。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
恐怖の灯台価格: 1,995円レビュー評価: 2.0 レビュー数:1 リアルな表紙につられて買っちゃいましたけど、中身の絵は昔の手塚風タッチです。ほのぼのしてます。影の多いリアルなタッチかと期待して買うと後悔します。コアなつげファン向け。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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つげ義春全集 (1)価格: 2,100円レビュー評価: 3.0 レビュー数:1 貸本時代の漫画を収録している。 時代状況を反映しているのか、つぎ義春のキャラクターゆえか、 お金のない人の話が異様に多い。 『おばけ煙突』という小品は、煙突掃除人の貧しいおやじが 主人公であり、全く救いがなく終わる。それゆえインパクトに 凄いものがあった。 この時から既に旅館で佇む描写があり、「あー、旅館で一人 のんびりしたいなー」と思ってしまう。そういう描写をさせれば やはりつぎ義春は超一流だと思った。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
新版 つげ義春とぼく (新潮文庫)価格: 540円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 この本の内容は、旅もの、夢日記、自分についてについて書かれているが、その内容は特に関連性があるわけではない。別個の作品をあつめて文庫化したものである。夢日記では、この文庫にあたって当時から10年後に新たにつけたものも加えられている。この夢日記の一部は漫画化されている。私は、漫画を読んでからこの本を読んだが、その逆だったら夢をこのように作品化したのか、と驚嘆しただろう。 ★一つ減点したのは、本全体としてはまとまりの無いものだからである。しかし、つげ味を堪能できることうけあいである。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
貧困旅行記価格: 1,631円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 奥さんとお子さんの正助君の写真も載っていて、漫画と同じで笑ってしまった、正助がバスに酔って家族で歩いて山道を下り、足にまめが出来て歩けないと言い出し、旅館では宿泊を断られ、宿泊できたところは高いところで料理代は別と聞き、心配する、子供もつられてしょんぼりしたり元気になったりと、情けない描写がいい。 活字ではあるが、漫画を読んでるみたいに引き込まれてしまう。すごくうまい文章も書けるんだと感心した。 まんがもいいけど、この本はとにかくすばらしい、九州に蒸発するところがすごくおもしろい、ファンの女性と結婚するつもりで会いに行くのだが、暇をもてあましストリップ小屋へ、貸切でストリップをし ...さらに詳しい情報はコチラ |
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