夏のおわりのト短調 (白泉社文庫)価格: 610円レビュー評価: 5.0 レビュー数:3 周囲の人間よりも断然オトナであると信じていた「自分」が、その実いちばん子供であった なんて、よくある話で。 家庭の不和、遂げられぬ想い、かくも人の心は壊れ易いものですね。 ラストシーン。主人公の頬を伝う涙に、言葉にはならない幾つもの感情がつまっています。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
大島弓子セレクション セブンストーリーズ価格: 966円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 映画「グーグーだって猫である」に登場する大島作品をまとめたアンソロジー本です。念のため収録タイトルをまとめてみると以下のようになります。
・ダイエット
・綿の国星(第一話)
・四月怪談
・バナナブレッドのプディング
・金髪の草原
・夢虫・未草
・8月に生まれる子供
本のサイズは一般のコミックよりも大きめですが、紙質と印刷が良くないので、大島さんの美しい絵が完全に活かされてはいないのが残念。でも、映画を観て「この話を読みたい!」と思ったときには便利な一冊だと思います。
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なずなよなずな (白泉社文庫)価格: 570円レビュー評価: 3.5 レビュー数:4 二番目の収録作品が「罪と罰」を漫画化したものです。ドストエフスキーの雰囲気はそういえば少女漫画的だった、と気づかされる作品で、世界観の再現はほぼ成功しています。原作のキリスト教的展開は影を潜めていますが、個人的にはこちらの方がしっくりきます。
1,3番目の作品は、展開に飛躍がありますが、人の心の葛藤が良く描かれていると思います。個人的には、最後の「キララ星人」の話が一番好きです。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
全て緑になる日まで (白泉社文庫)価格: 610円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 初めて大島作品を読む人向けではないけれど 「綿の国星」「ロストハウス」などからはまった人にも 是非読んでほしい比較的初期の頃の作品です。 絵もかなり少女漫画してるし支離滅裂な話ではあるんですが 読めば読むほどはまっちゃう。倒錯してゆく主人公と物語の展開に、 粉雪ホワイトアウト、散らばる花、砂漠の砂嵐、、などこれぞ大島ワールド って感じの絵とすばらしいネームがいっぱいです。 特に最後の締めくくりのネームは、大島作品の中でもかなり秀逸で、 なんていうか、、好きな人は身もだえしちゃうと思います。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
いちご物語 (白泉社文庫)価格: 650円レビュー評価: 5.0 レビュー数:7 生まれ育ったラップランドからかつて度会っただけの旅人、林太郎のお嫁さんになる為に
はるばる日本までたった一人でやってきた少女、「いちご」の物語。
砂糖菓子のように愛らしい少女、いちごのひたむきで純粋無垢な心に誰もが魅了されるでしょう。
ラストは何度読んでも本泣きしてしまいます。
読み終えた後は林太郎よろしく、「ネイ!」だの「タック」だの、
聞いたはずのない、幼さの残るいちごの声が耳にこだまするような気がします。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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四月怪談 (白泉社文庫)価格: 610円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 大島弓子を読みはじめるときの、最初の一冊に丁度いい本だと思います。 表題の「四月怪談」はじめ、「きゃべつちょうちょ」、「金髪の草原」など、大島弓子の中ではわかりやすい名作がたくさん入っている短編集だと思います。 一番目に収録されてるローズティーセレモニーは、お目目キラキラで全体に花やら星やら飛び交ってて、ちょっとひくかもしれませんが、読んでみるとやはり大島弓子らしい詩情と深い心理があふれていて、読み応えがあります。 私は大島弓子より大分後の世代なんですが、昔の少女漫画って今のものよりずっと深みがあって面白かったんだなぁと思います。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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ロングロングケーキ (白泉社文庫)価格: 610円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 初めて読んだ大島弓子の本です。初大島世界としてはちょっと難しかったので星4つですが、これは感覚が合う人にはかなりすごい作品集だと思います 中に入ってる短編の一つ「ジキタリス」に出てくる「ジキタリス」とは、登場人物の1人が「眠ろうとして眠れず、目をつぶっているときにまぶたの裏にふいに現れるもやもやとした模様」につけた名前です。私も幼いときはあの模様をただ見つめて(?)いた時がありました。目を閉じているはずなのに見えるこれは何だろう、今自分は何で何を見ているんだろう。そんな素朴な不思議や不安を抱えながら生きていた頃のことを思い出しました。 大人になるに従って、生きることに慣れ存在する ...さらに詳しい情報はコチラ |
わたしたちができるまで (角川文庫)価格: 398円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 三人の漫画家への50の質問、本人による作品解説、書き下ろし作品という構成で、普段、漫画を読んでるだけではなかなか知ることが出来ない作品の裏事情や三人の私生活がちょっと垣間見られる本です。 また、50の質問の質問者が大島弓子、吉田戦車、吉本ばななという豪華なメンバーなので、質問の内容も興味深いものになってます。 三人の漫画家のうちにひとりでも好きな漫画家がいる人は買って損なしです。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
大島弓子選集 (第8巻)価格: 1,223円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 表題作「四月怪談」を初めとする、少女漫画の極致ともいうべき傑作が凝縮されている。面白い。いや、もはや哲学書である。 少女漫画とは何なのかという問いに対して、7〜8巻ほど的確な解答はなかろう。 一見解決不可能に思えるこじれた人間関係を題材にして、解決に向かわせるストーリー作り。モノローグの手法を駆使しながら実存に対する冷徹な洞察。徹底的に考え尽くされた人格と欲望・願望の差異。 ...さらに詳しい情報はコチラ |